トランプ氏、政府効率化省の長官にマスク氏とラマースワミ氏を選出…政府改革本格化

ドナルド・トランプ次期アメリカ合衆国大統領が、新たな内閣機関である「政府効率局」(Department of Government Efficiency, DOGE)を設立し、イーロン・マスク テスラCEOとバイオテクノロジー企業家ヴィヴェク・ラマースワミを同局の長に指名しました。トランプ氏は自身のソーシャルメディアアカウントであるトゥルースソーシャルを通じてこの発表を行い、彼らが過剰な規制を削減し、不必要な政府支出を削減することに貢献すると述べました。同氏は、この局がアメリカの政府改革において「現代のマンハッタン計画」となる可能性を示唆し、大きな期待を示しました。

X - イーロン・マスク　スクリーンショット

新たな内閣機関、政府効率局の役割と目標

トランプ次期大統領が今回構想した政府効率局は、連邦政府の予算構造を再編し、官僚主義を解体することに重点を置いた機関であり、ホワイトハウスと緊密に協力して不必要な規制を撤廃し、無駄な支出を削減することを目的としています。トランプ次期大統領は、これを通じて6兆5000億ドルに上る膨大な政府支出を見直し、「無駄と不正を撲滅する、新たな企業家的な政府アプローチ」を構築するという強い意志を表明しました。

こうした大規模な改革計画は「アメリカを救う(Save America)」運動の重要な一部として位置付けられており、これを通じてトランプ政権は「小さな政府」の実現に集中する方針です。トランプ氏は、この政府改革作業を2026年4月4日までに完了させ、脱官僚主義を実現すると具体的な計画を明らかにしました。

ドナルド・J・トランプ大統領の声明書をイーロン・マスク氏がXに投稿したスクリーンショット

トランプ政権内で実力者として台頭するイーロン・マスク

億万長者であり世界最高富豪の一人であるイーロン・マスク氏は、トランプ氏の再選のための主要な支援者であり協力者とみなされています。トランプ氏の選挙運動当時、「アメリカ・パック」(SUPER PAC)を設立して支援した同氏は、今回の当選過程でも大きな役割を果たしました。特に、トランプ次期大統領のフロリダ州マールアラーゴ・リゾートで開催された政権移行に関する会議に出席しており、次期政権内で重要な地位を占める人物として評価されています。その他にも、11月6日、トランプ次期大統領がウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領と行った電話会談にも同席し、その地位を改めて証明しました。

バイオテクノロジー企業家ヴィヴェク・ラマースワミ、トランプ氏の側近としてDOGEの長に

ヴィヴェク・ラマースワミ氏は、共和党大統領候補指名選挙に出馬しましたが、その後辞退し、トランプ氏を支持を表明して、その側近となりました。バイオテクノロジー分野での専門知識を基に、今回のDOGEで政府内の非効率性の解消と規制の効率化をリードすると期待されています。ラマースワミ氏は企業家としての経験を通じて、政府改革に企業家的な視点を加えることができる人物として評価されています。

政府効率局、大胆な改革は可能か？

政府効率局は、トランプ政権が検討してきた新たな内閣機関であり、著名な企業トップを通じて官僚主義を解体し、無駄な支出を削減することに重点を置く予定です。しかし、こうした大胆な改革が実際に実現できるかどうかが課題であり、トランプ政権が政府構造を大々的に改革できるかどうかについても議論があります。

官僚制との衝突の可能性、企業的なアプローチの有効性などが、トランプ政権のDOGEが直面する課題です。トランプ氏が期待するほど政府支出の削減と規制緩和が成功すれば、政府効率局は新たな行政改革のモデルとして評価される可能性もあります。

結果的に、トランプ氏が夢見る脱官僚主義的な「小さな政府」の実現は、マスク氏とラマースワミ氏の手に委ねられていると言えるでしょう。二人の企業家がトランプ政権の政府効率局でどのような革新的成果を挙げるのか、その行方が注目されます。

アメリカで提案された「政府効率局」(DOGE)は、ドナルド・トランプ次期大統領が計画した新たな内閣機関であり、政府の効率性を強化し、過剰な官僚主義と不必要な規制を削減することを目的としています。トランプ次期大統領は、これを通じて政府支出の無駄を排除し、連邦政府機関の効率性を最大化しようとしています。

'政府効率局'の主な役割は以下の通りです :

1. 政府官僚主義の解体：官僚主義による遅延や複雑さを減らし、政府運営の効率性を高めることに重点を置きます。

2. 過剰な規制の緩和：企業や個人が抱える過剰な規制を減らし、経済活動を活性化し、民間部門のイノベーションを促進します。

3. 無駄な支出の削減：連邦予算全体で不必要な支出を削減し、政府資源をより効率的に活用します。

4. 大規模な構造改革：ホワイトハウスと管理予算局(OMB)と協力して連邦機関の構造改革を推進し、年間6兆5000億ドルに上る政府予算の中で無駄と不正の問題を解決するための対策を講じます。

特に、トランプ次期大統領は民間の企業家的なアプローチを取り入れ、既存の官僚制度を革新し、「小さな政府」を目指しており、このプロジェクトを「マンハッタン計画」に例えています。

トランプ・バンス引継ぎ委員会の内容全文

2024年11月12日

トランプ・バンス引継ぎ委員会

2024年11月12日

ドナルド・J・トランプ大統領の声明

偉大なイーロン・マスク氏が、アメリカの愛国者ヴィヴェク・ラマースワミ氏と共に政府効率局(DOGE)を率いることになったことを発表できて嬉しく思います。
この二人の素晴らしいアメリカ人は、私の政権が政府官僚主義を解体し、不必要な規制を廃止し、無駄な支出を削減し、連邦機関を再編する道を切り開いてくれるでしょう。
これはアメリカを救う運動に不可欠なことです。
マスク氏は、「この措置はシステムに衝撃を与えるでしょう。政府の無駄に関係した人々に大きな影響を与えるでしょう。政府の無駄に関係した人は非常に多いのです！」と述べました。
これは、潜在的に現代のマンハッタン計画となるでしょう。
共和党の政治家たちは長い間、DOGEの目標を実現することを夢見てきました。
こうした劇的な変化を成し遂げるために、政府効率局は政府外部から助言と指導を提供し、ホワイトハウスおよび管理予算局と協力して大規模な構造改革を推進し、これまでにない企業家的なアプローチで政府を革新するでしょう。
私はイーロン氏とヴィヴェク氏が連邦官僚制に変化をもたらし、効率性を高め、同時に全てのアメリカ人の生活をより良くすることを期待しています。
とりわけ、私たちは年間6兆5000億ドルに及ぶ政府支出全体に存在する大規模な無駄と不正を根絶するでしょう。
彼らは共に私たちの経済を解放し、アメリカ政府が「国民に」責任を負うようにするでしょう。彼らの仕事は遅くとも2026年7月4日までに完了するでしょう。
より効率的で官僚主義の少ない小さな政府は、独立宣言250周年を迎えるアメリカへの完璧な贈り物となるでしょう。